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Channel: 藤原洋のコラム
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ブロードバンドタワーと名古屋大学を中心に総務省NICTからBeyond5G向け研究受託!

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~産学連携としてブロードバンドタワー(代表提案者)、名大、名工大、三菱電機が共同研究スタート~

~GaN(窒化ガリウム)を用いた5Gに続く次世代モバイル通信)の基盤技術開発~

 

 このたび、総務省国立研究開発法人情報通信研究機構(NICT)から、Beyond 5G研究開発促進事業のうち、令和3年度新規委託研究の公募(第1回)における一般課題について、株式会社ブロードバンドタワー(以下、当社)が代表提案者となった『Beyond 5Gに資するワイドバンドギャップ半導体高出力デバイス技術/回路技術の研究開発』が、採択されました。提案者は、当社(代表提案者)、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学、国立大学法人名古屋工業大学、三菱電機株式会社の4者です。

https://www.nict.go.jp/info/topics/2021/10/04-3.html

 

 研究開発内容は、5Gで実用化されている窒化ガリウム素子の材料品質を向上させ、その物性を最大限引き出すことで、Beyond 5Gで求められる高速・大容量無線通信に必須の広帯域性・低歪性に加え、高出力かつ信頼性向上も期待される「ワイドバンドギャップ半導体高出力デバイス技術/回路技術」を開発することとなっています。

 

●共同提案に至った経緯について

 さて、今回の共同研究提案に至った経緯は、天野浩博士ら3人の日本人が2014年に青色発光ダイオードの発明でノーベル物理学賞を受賞されたことに始まります。私は、スウェーデンという国に着目していたので、スウェーデン政府や企業との交流があったことから、「ノーベル賞を授与する国としてのスウェーデン」の「ノーベル賞哲学=科学を人類の平和と発展に役立てる」に共感し、天野浩博士が徹底的に研究されたGaN(窒化ガリウム)を青色発光ダイオードだけではなく、次世代AIとインターネットの世界にも適用しましょうと持ちかけました。

 

 具体的には、総務省に予算申請をして、インターネットのための次世代高速情報通信基盤向けに共同研究をしようということになりました。天野博士は、その話をノーベル賞受賞記念講演で話をしてもいいですか?ということで、当然OKですということになり、青色発光ダイオードの次のビジョンを共有することができました。また、その話をストックホルムの授賞式で話されました。

 

 今回の総務省NICTからの共同研究の受託の背景には、そんな夢の共有がありました。Beyond5Gは、5Gに続く次世代の超高速モバイル通信システム(6G等)を目指すもので、シリコンと異なり、化合物半導体の代表格であるGaN(窒化ガリウム)では、日本が世界をリードするチャンスになると思っています。これから2年、5年、10年とロードマップを描きながら2030年を目指し、できれば大阪万博に中間成果を示したいと思っています。

 

 写真1は、天野博士と、GaNの次世代AIとインターネットへの適用について初めて語り合った、ノーベル物理学賞受賞決定記念祝賀会の様子です(2014年11月21日スウェーデン大使館にて)。

 

写真1:2014年11月21日スウェーデン大使館でのノーベル賞受賞決定祝賀会

 

●Beyond5G時代のブロードバンドタワーの目指すMECデータセンター

 Beyond5Gの時代には、図1に示すように、5Gをはるかに超える7つの特徴が、実現されることになっています。即ち、超高速・大容量、超低遅延、超多数同時接続、超低消費電力、超安全・信頼性、自律性、拡張性です。また、仮想化技術(サーバーなどのハードウエアリソース〔CPU、メモリ、ディスクなど〕を抽象化し、物理的な制限にとらわれず、ソフトウエア的に統合・分割できるようにする技術)に基づく、クラウドコンピューティングとエッジコンピューティング技術をBeyond5G情報通信基盤に取り込むトレンドが生まれることが想定されます。

 

図1. Beoynd5Gが拓く7つの特徴

 

 一方、GaNという日本が誇る化合物半導体デバイス技術を応用し、次世代のコンピューティング環境を実現するのが、当社の役割ですが、GaNは、高速スイッチング性能と低消費電力を特徴としています。また、通信用デバイスとしてだけではなく、パワーエレクトロニクスデバイスとしても優れた特性を有しています。そこで、当社としては、本研究成果を応用し、MEC(Multi-access Edge Computing)データセンター技術の確立を目指しています。その概要を示したのが図1です。当社は、日本初の専業インターネット・データセンター企業として、これまで、都心型データセンターの構築と運用を約20年以上に亘って行ってきました。今後は、5GそしてBeyond5Gの時代に適合する新たなエッジコンピューティング時代に対応したGaNによるデバイス技術を応用した、MECデータセンターを実現させたいと考えております。そして、各地域に展開することで、「データの地産地消」を実現したいと考えております。

 

図2. ブロードバンドタワーの目指すBeyond5G時代のMECデータセンター

 

【ご参考】

国立研究開発法人情報通信研究機構からのプレスリリース

https://www.nict.go.jp/info/topics/2021/10/04-3.html

 

2021年10月27日

代表取締役会長兼社長CEO

藤原 洋

 


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